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[季節] 仲冬を主に三冬(12月を主に11月から1月)植物季題

[季題] 枯菊(かれぎく)

[副題] 枯菊を焚く(かれぎくをたく)
 
 
 晩秋を彩っていた菊の花も冬の深まりとともに寒さや霜で傷つきやがて枯れて花も葉もからからに芯まで枯れきってしまう。
 
 枯れた菊は抜取り又は刈取って焚くと紫煙からほのかに香りがして捨てがたい情趣と菊の此の1年を惜しむ気持ちが生まれたりする。
 

 ※菊←晩秋(10月)重陽(旧暦9月9日)までの呼び名。
 ※残菊←重陽の日の翌日・「十日の菊」以後の呼び名。
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枯菊の俳句歳時記 清月俳句歳時記12月の植物俳句のページです。例句は、芭蕉のほかは現在活動中の有季定形・伝統的俳句作家の皆様の俳句から抽出しています。編者野田ゆたかは、平成22年1月現在、ホトトギス及び未央で指導を仰ぐとともにインターネット俳句「清月」を主宰しています。 [季節] 仲冬を主に三冬(12月を主に11月から1月) 植物季題 [季題] 枯菊(かれぎく) [副題] 枯菊を焚く(かれぎくをたく) 晩秋を彩っていた菊の花も、冬の深まりとともに寒さや霜で傷つき、やがて枯れてきて、花も葉もからからに芯まで枯れきってしまう。その移り変わり心惹かれるものがある。 葉が枯れていくなかで、花はまだ色を残して仄かに香っている様は、かえって哀れをさそう。 菊←晩秋(10月)重陽(旧暦9月9日)までの呼び名。 残菊←上記、重陽の日の翌日、「十日の菊」以後の呼び名。 晩秋を彩っていた菊の花も、冬の深まりとともに寒さや霜で傷つき、やがて枯れてきて、花も葉もからからに芯まで枯れきってしまう。枯れた菊は、抜き取り又は刈り取って焚くと紫煙からほのかに香りがして捨てがたい情趣と菊の此の1年を惜しむ気持ちが生まれたりする。 此の情緒や香りが好まれて、行事的に人を呼んで「枯菊焼く」を行う俳人もいる。 枯菊は植物季題に分類し別題とする。 枯菊を焚くの俳句 枯菊を焚き光陰を惜みけり 西崎佐知 枯菊の俳句 枯れてゆく菊に風情の捨てがたく 山本とも江 枯菊を焚くの俳句 風のなき日和枯菊焚きにけり 池末あけみ 枯菊の俳句 枯菊を寄せほのかなる香を惜しむ 山中明石 菊枯るるの俳句 それぞれに残す色あり菊枯るる 山田笑子 枯菊を焚くの俳句 枯菊の焚きし匂ひを身にまとふ 水野良子 枯菊を焚くの俳句 枯菊を焚く一筋の煙かな 柏村陽子 枯菊を焚くの俳句 枯菊をたけば香りにあわれさを 岩間れい子 枯菊を焚くの俳句 枯菊を焚きたる径匂ひけり 高橋泉也 枯菊を焚くの俳句 焚くばかりなる枯菊を積みあげて 松葉律子 枯菊を焚くの俳句 枯菊を焚けば香りの残りけり 和泉清一 枯菊を焚くの俳句 畑すみで焚く枯菊の香の灰か 中島季世 枯菊の俳句 枯菊を剪るや匂ひの漂へり 土屋 勝 枯菊の俳句 焚くばかりなる枯菊を積みあげて 松葉律子 枯菊の俳句 潮菊の巌にはりつき枯れにけり 長田穂峰 枯菊の俳句 枯菊や傾きしまま風に揺れ 津田鴻林 枯菊の俳句 磯菊の潮枯れしるき崖の径 田川 栄 枯菊の俳句 枯菊は乾くを待ちて焚くことに 野田ゆたか 捨つるには惜しき枯菊とも思ふ 井川芳子 枯菊を焚き焔の香りかな 前田卯生