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[季節] 晩秋を主に三秋(10月を主に8月から10月)生活季題
 
[季題] 秋思(しうし/しゅうし)
 
[副題] 秋淋し(あきさびし)
 

 秋の淋しさに誘われる物思い。
 
 徒然草に「もののあはれは秋こそまされ」とあり中国唐代の杜甫の詩に「秋思雲髻を抛ち腰肢宝衣に勝る」とある。
 
 秋のしみじみとした情趣とそこはかとないもの淋しさをいう。
 
 
【杜甫の詩「即事」の全文】
 
聞道花門破(聞くならく花門は破れ)
 
和親事却非(和親事は却って非なりと)
 
人憐漢公主(人は憐れむ漢の公主の)
 
生得渡河帰(生きて河を渡りて帰るを得たることを)
 
秋思抛雲鬢(秋思は雲鬢(うんぴん)を抛(なげう)ち)
 
腰支勝宝衣(腰支(ようし)は宝衣に勝えたり)
 
群兇猶索戦(群兇は猶戦いを索め)
 
回首意多違(首を回らせば意に違うこと多し)
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秋思の俳句 清月歳時記/野田ゆたか遍 haiku noda yutaka saijiki 例句は、インターネット俳句清月俳句会の投句及び廃刊俳誌「引鶴」の雑詠句或いは芭蕉俳句などから抽出しています。京都清月庵 木津川市 大阪清月庵 枚方市 有季定型俳句 伝統俳句の歳時記のページです。編者野田ゆたかは、インターネット俳句「清月」を主宰しています。[季節] 晩秋を主に三秋(10月を主に8月から10月)生活季題[季題] 秋思(しうし/しゅうし)[副題] 秋淋し(あきさびし)秋の淋しさに誘われる物思い。徒然草に「もののあはれは秋こそまされ」とあり中国唐代の杜甫の詩に「秋思雲髻を抛ち腰肢宝衣に勝る」とある。秋のしみじみとした情趣とそこはかとないもの淋しさをいう。【杜甫の詩「即事」の全文】聞道花門破(聞くならく花門は破れ)和親事却非(和親事は却って非なりと)人憐漢公主(人は憐れむ漢の公主の)生得渡河帰(生きて河を渡りて帰るを得たることを)秋思抛雲鬢(秋思は雲鬢(うんぴん)を抛(なげう)ち)腰支勝宝衣(腰支(ようし)は宝衣に勝(かち)えたり)群兇猶索戦(群兇は猶戦いを索め)回首意多違(首を回らせば意に違うこと多し)<例句>/秋思の俳句 慈悲の印結び秋思の九品仏 村上唯志/秋思の俳句 金堂の暗く秋思の佛かな 松山寿美/秋思の俳句 水琴窟地中の響聞く秋思 西川寿賀子/秋思の俳句 秋思濃し玉虫厨子の色の褪せ 西ア佐知/秋思の俳句 三尊の金の剥落見て秋思 西村舟津/秋思の俳句 まなざしを伏して秋思の観世音 岡村紀洋/秋思の俳句 捜しても青空の無く秋思かな 川崎孝二/秋思の俳句 秋思なるひととき過す軽井沢 辻多津子/秋思の俳句 ゆらぐ灯に秋思の弥陀を拝しけり 堀口まゆみ/秋思の俳句 反芻の牛の瞳に秋思あり 長峰 勇/秋思の俳句 わが影の夜に延びゆく秋思かな  高柳ゆうこ/秋思の俳句 筆跡の定かにあらず墓碑秋思 阿形公枝/秋思の俳句 高齢にあれやこれやの秋思かな 吉岡英子/秋思の俳句 深煎りの珈琲の香に秋思かな 池下よし子/秋思の俳句 秋思なほ賽の河原に石を積む 松宮育子/秋思の俳句 唐突の別れとなりし秋思かな 森島緋紗江/秋思の俳句 黄ばみたる詩集に秋思果もなく 綾井 美/秋思の俳句 母の遺志継ぐ集印に秋思なほ 山田行恵/秋思の俳句 古時計秋思を刻み昏れゆけり 高橋泉也/秋思の俳句 友撞きし鐘の余韻にある秋思 森本順子/秋思の俳句 すくと立つ阿修羅の像にある秋思 池田幸恵/秋思の俳句 瀬音なほ秋思募らす貴船川 岩本かず子/秋思の俳句 ふと秋思ふる里に足遠のきて 吉田静代/秋思の俳句 石段に樒抱きて秋思かな 橋本幹夫/秋思の俳句 神籤引き心安らぐ愁思かな 山口美琴/秋思の俳句 湧き出づる雲に秋思のありにけり 山本宏子/秋思の俳句 手を合はす母の背中にある秋思 杉山春萌/秋思の俳句 東京にわが過去少しある秋思 清水恵山/秋思の俳句 頑張れと夢に師の声秋思ふと 能口和子/秋思の俳句 奥飛騨の旅情にはまる秋思かな 西岡甲子/秋思の俳句 薬師仏右手傾ぐは秋思とも 野田ゆたか