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[季節] 新年            生活季題
 
[季題] 手毬(てまり)
 
[副題] 手毬つく(てまりつく) 手毬唄(てまりうた)
 
 
 手毬遊びは古くから行われていたが起源についてははっきりしない。
 
 新年(新春)の季題となったのは江戸時代になってからである。
 
 女子の遊びで綿糸を巻いてよく弾むようにしたもので後に表面に美しい色糸を施したものや芯に鈴などを入れて音の出るようにしたものなどが現れた。
 
 それほど弾むものではないので縁側などで立て膝の姿で唄を唄いながらついて遊んだ。
 
 明治になってゴム毬が普及するようになって古来の毬は姿を消し屋外で立ってつくなど遊びの形も変化した。
江戸手毬唄

ひーやーふーやーみーやーよーやーいつむーななやーここのつとう/手毬転げてどこへ行く
/江戸の名物火事に喧嘩に伊勢屋に稲荷に犬の糞/振袖火事は本妙寺/恋の執念恐ろしや/晴れ着が火を噴きあえーえーとんだそな

/火事だ火事だ火事は近い庵のそばまで延焼中/芭蕉飛び込む水の音/江戸の火消しはいろは四十八/櫓で半鐘がジャンと鳴りゃ
/炎に纏の男伊達/頼りないのは龍吐水/名前に負けてるあえーえー水鉄砲/千両箱がずっしり重い泥棒稼業の醍醐味だ

/月に吠えたら落っこちた/ひーやーふーやーみーやーよーやーいつむーななやーここのつとう
/ひーやーふーやーみーやーよーやーいつむーななやーここのつとう/ドンと首尾よく突き上がり


京手毬唄

坊さん頭は丸太町/つるっとすべって竹屋町/水の流れは夷川(えべすがわ)
/二条で買うた生薬(きぐすり)を/ただでやるのは押小路

/御池で出逢うた姉三(あねさん)に/六銭もろうて蛸買うて(たここうて)/錦で落として四かられて(しかられて)
/綾まったけど(あやまったけど)仏仏と(ぶつぶつと)/高(たか)がしれてる松(ま)どしたろ